劇場版『シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』の感想

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1985年から1991年まで少年ジャンプで連載していた北条司の漫画「シティーハンター (CITY HUNTER) 」そして1987~1989年放映のTVアニメから30年、劇場新作アニメとして帰ってきました。

冴羽獠と槇村香らの声も当時と同じ声優を起用していて雰囲気は当時のまま、そしてエンディングテーマに「GetWild」が流れるなどまさにファンのための映画といった作りです。

感想は後に回しますが結構辛口評価となってしまいました。

 

ストーリー

裏社会ナンバーワンの腕をもつシティーハンター冴羽獠は、普段は新宿に事務所を構え、相棒の槇村香と様々な依頼を受けている。
そこに、何者かに襲われたモデル・進藤亜衣がボディーガードを依頼にやってきた。
美女の依頼を快諾した獠だが、撮影スタジオで更衣室を覗いたり、もっこり全開のやりたい放題…。
亜衣がキャンペーンモデルを務めるIT企業の社長・御国真司は、なんと香の幼馴染。
撮影現場で久々に香と再会した御国は彼女をデートに誘う。
しかし、獠は香に無関心で亜衣にスケベ心丸出し…。
一方、海坊主と美樹は傭兵が新宿に集結する、という情報を入手した。そして、傭兵達は何故か亜衣を狙うのだった…
敵の正体を探る冴子が直面する巨大な陰謀!
来日する大物武器商人・ヴィンス・イングラードと最新兵器――
御国の登場により、すれ違う獠と香。
シティーハンターは亜衣と新宿を護りぬくことができるのか!?

 

子供の頃毎週見ていたシティーハンター

私はシティーハンターのアニメを子供の頃に見て育った世代で当時は連載中の原作も毎週読んでいました。アニメに比べて原作漫画は大人向けっぽくて特別好きって程でもなかったのですが当時の少年ジャンプは600万部の黄金期でそれこそ読み飛ばす作品が無く巻末の読者ハガキコーナー「ジャンプ放送局」まで含めて隅から隅まで読んでいました。

 

今は一冊270円でジャンプは売っていますが、この頃は当時の金銭感覚からいっても安い一冊たったの170円で売っていて小学生のお小遣いで毎週買う事が出来てました。私には兄弟が居るのですがどちらが先に読むのかで揉めるうちに自然とそれぞれ別々に買うようになり、毎週同じ雑誌が2冊ずつ家にありました。

 

後にコミックバンチで連載していた続編と言っていいのか、正確にはパラレル扱いの続編『エンジェル・ハート』も好きで全巻読んでいます。

この『エンジェル・ハート』というのが原作ファンの間でも厄介な扱いをされている作品で冴羽獠のパートナー、槇村香が一話の冒頭で交通事故で脳死状態になり香から摘出した心臓を移植された殺し屋の少女、香瑩(シャンイン)が主人公となる話で少女はと香の養女という設定でアニメとドラマ化もしています。

 

神谷明など当時と同じ声優を起用

冴羽獠と槇村香の役に神谷明と伊倉一恵といった当時と同じ声優を起用してくれたのは嬉しい事でした。特に神谷明は2000年以降になるとギャランティ問題で代表作であっても降板される事が増えてきて、「北斗の拳」のケンシロウ役や「キン肉マン2世」でのキン肉スグル役、パチスロ版「シティーハンター」の冴羽獠役を他の声優に譲ったりしていました。

 

伊倉一恵も好きだった声優の一人で、小学生当時の私は既に声優オタクの道に手を染め始めていて伊倉一恵(当時の芸名は伊倉一寿)と田中真弓のラジオ番組を毎週聞いていました。

あの当時ラジオで田中真弓は自分の事「田中のオバチャン」と自称してたけど田中真弓のプロフィール調べてたら、その頃ってまだ30代前半じゃないか。伊倉一恵も同年代ですけど、なんだか2人ともずっと昔からオバチャンだったイメージでした。

 

神谷明と伊倉一恵も60~70代という年齢になり、予告を見た感じでも神谷さんは声に張りがなくなってきてたように感じましたがそれでも冴羽獠は神谷明さんしか考えられませんね。神谷明自身も特に冴羽リョウには思い入れがある役のようで自身の個人事務所の名前を「冴羽商事」としている程です。

 

冴羽獠の銃の扱いの変化が話題に

映画を見てきた一部の旧作アニメファンの間で冴羽の銃の扱い方が違っていて不満に思っている人達が居るそうなのです。

具体的には銃のリボルバーシリンダーに弾を込めた後に手首のスナップを利かせてガチっとはめ込むアクションが昔のアニメではあったそうなのですがそれが今回の映画ではしなくなっているのです。

劇場版シティーハンターのミリタリー監修の方がその理由を説明しています。

 

 金子さんいわく、銃の扱い方・構え方にも「流行」があり映像の世界においても元の味は活かしつつ今風にアップデートするため手を加えたのだと説明しています。

あのアクションは70~80年代の刑事ドラマとかで使われすぎてあれが正しいと思ってる人も居るようだけどリアルな描写ではないとの事。

シティーハンター自体80年代の漫画ですし今のように銃器の描写で読者や視聴者からツッコミ入れられるような事も無かったでしょうし見栄えを重視してたところはあるのでしょうね。

 

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「ゴルゴ13」のデューク東郷が使っているアーマーライトM16なんかも作者側の銃知識に疎い初期の頃に設定されたもので本来狙撃向きの銃ではなかったのですが、不測の事態に備え、襲撃に対する迎撃や部品調達の簡単さなどからあえて使っているという理屈が後付けで付け加えられています。

 

こうした銃の描写は見る人が見れば突っ込み入れたくなるようで最近ではアニメ「BANANA FISH」 の銃がまんまモデルガンだとか他にも毎週のように色々言われてました。

 

一度見れば充分。映画の面白さとしては平凡以下

TVシリーズのお約束の積み重ねで懐かしさを求めてる昔からのファンはこれが見たかったんだよと満足できたかも知れませんが、新鮮さを求める人や初見の若い世代の人達にはどう映ったのだろうか。スマートフォンやドローンなど現代チックなものは出てきてたけど表層だけ新しくしただけという印象でした。

むしろ下手に現代設定にしないで80年代後半のままの設定にした方が逆に今の若い世代には新鮮に映ったのではないかとも思うのですが

 

あと「もっこり」言いまくってたけどこの昭和の下ねたジョークって今の人に通じるのでしょうか?というかシティーハンター以外で「もっこり」なんて言ってるの聞いたことなければ笑ったことも無い。

 

正直な感想としては映画ではなくTVスペシャルで良かったんじゃないかと思いました。アップのシーンではキャラの顔立ちも綺麗に描かれてましたが引きの絵になると途端にTVアニメのクォリティになってしまう場面も多かったし、新宿駅付近も作画の都合か人が極端に少なく実際の新宿であんな銃撃戦やったらそれだけで大惨事になりそうなものなのに

 

私も最初は多くの人たちと同様にただ懐かしいもの見たさで映画館に行ったはずだったのに実際に見始めると色々な所が鼻につくようになりました。キャッツアイの登場も無理矢理ねじ込んだようにしか見えないしBGMも名曲をとりあえず使いましたって感じで曲に頼りすぎのように感じました。

去年「ボヘミアンラプソディ」を見た時に感じた。今自分の気持ちが盛り上がってるように感じるのは映画の台詞やストーリーではなく名曲の力だけなんじゃないかと気付いてしまった時の白けと似ているかも知れない。

ちなみにキャッツアイまでくると私とは世代がややずれてしまい殆ど分かりません。キャッツアイが登場しただけで喜んでる人もいるかと思いますが原作でも両作品は一切絡んでないそうですし、あっても無くてもいいくらいの感じしか受けませんでした。

 

それと今回、新宿で鑑賞したのですが映画1000円の日だったからか新宿というそのまま聖地巡礼できる地だったからか分かりませんがお客さんは沢山入っていました。見に来るのは殆ど40代以上のオッサンだろと思ってたら意外と女性や若い人も居ました。

 

まとめ

神谷明は今回の映画を皮切りにルパン3世のようなTVスペシャルで毎年シティハンターが出来たらいいとインタビューで答えてましたが、それは名案ですね。

今回の映画はストーリーにもひねりが無く予想出来る展開の連続でしたが、ルパンシリーズのように沢山製作していけば時に奇をてらったストーリーや様々なタイプのシティーハンターが見られるようになるかも知れません。

それでは以上、『劇場版『シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』の感想』でした。