シリーズの原点に戻らねばならない 映画「レッド・ドラゴン」レビュー

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 2002年製作のアメリカ映画「レッド・ドラゴン」の紹介です。

監督:ブレット・ラトナー 脚本:テッド・タリー

出演者:アンソニー・ホプキンス エドワード・ノートン

 

 

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レッド・ドラゴンから羊たちの沈黙へ

原作はトマス・ハリスの同名小説でこの「レッドドラゴン」は

同作者の「羊たちの沈黙」の前日譚にあたります。

映画「羊たちの沈黙」より以前に一度映画化されていましたが2002年版では

ハンニバル・レクターを「羊たちの沈黙」同様、アンソニー・ホプキンスが

演じています。

 

 

あらすじ

FBI捜査官ウィル・グレアムは犯罪心理学者のハンニバル・レクター博士と共に

連続殺人事件の捜査を行っていた。

ウィルは真犯人が一緒に行動していたレクター博士であると疑っていた。

そして自分の推論を打ち明けたところレクター博士はウィルに襲い掛かり

取っ組み合いの末、2人は重症を負い倒れてしまう。

 

それから数年後、世間から離れてひっそり暮らしているウィルの元に

FBI時代の上司クロフォードが同一犯の犯行として追ってる

2件の事件捜査のために協力を要請に来たところから物語りは始まります。

 

 

主役のウィル・グレアム

ハンニバル・レクターシリーズとは呼ばれていますが「羊たちの沈黙」の

クラリス・スターリングと同様レクター博士は捜査にアドバイスをする存在で脇役に

徹し、あくまで今作の主役はエドワード・ノートン演じる

ウィル・グレアムとなっています。

 

「羊たちの沈黙」でもウィルは名前だけ登場します。レクター博士を逮捕して、

その時瀕死の重傷を受けFBIを退いたと言われています。

 

ウィルには特殊な能力が備わっており、それは犯人との強い共感能力である。

 

現代であればプロファイリングという言葉で説明できる事ですが

現場に残された血痕や証拠品などから状況を割り出し犯人の思考を推定する

通常のプロファイリングの更に先、ウィルは現場の状況から犯人になりきり

まるで犯人自身がウィルに憑依したかのように現場の状況を

巻き戻して再生する事が出来るのです。

この力のせいで犯人と共感しすぎたウィル自身も病んでいくことになるのですが・・・

 

 

連続殺人鬼レッド・ドラゴン

被害者は目の中に鏡の破片をはめ込み、噛み傷を残し殺されていた。

レッドドラゴンの人物像は複雑で背中にドラゴンの刺青のある強靭な肉体を持った

男ですが、幼い頃に受けた虐待や女性への劣等感、

自身の容姿に対するコンプレックスから精神が歪んでいき

食人鬼ハンニバル・レクターへの憧れなどから犯行を繰り返していきます。

 

盲目の女性リーバと出会いがダラハイトの心境に徐々に変化を与えていき

互いに障害を持った者同士が心を通わせていくラブストーリー的な展開に

なっていったところからの怒涛の終盤への流れ、そこからクライマックスに

向けてラスト付近で更に話が大きく転換していくところも含め

「羊たちの沈黙」に登場した殺人鬼のバッファロービルより掘り下げて

丁寧に描写されていたように感じました。

 

 

ハンニバルシリーズの原点

長きの間「レッド・ドラゴン」(2002年)、「羊たちの沈黙」(1991年)、

「ハンニバル」(2001年)の以上3作がハンニバルシリーズ3部作と

呼ばれていてきましたが

 

今では更に時系列的には「レッド・ドラゴン」以前、

レクター博士の幼少期から青年期にかけてまでを描いた

「ハンニバル・ライジング」(2007年)を加えて4部作と数える事もあります。

ですが原作の発表順で言えば「レッド・ドラゴン」が原点といえるでしょう。

 

 

シリーズの評価と見る順序

このシリーズはどの作品も単体で評価される事はあまりなく、どうしても

アカデミー賞主要5部門全てを独占した「羊たちの沈黙」と比較されてしまう

宿命にあります。

もしくは続編がある事自体が知られていないという不運

 

 ですが主人公のウィル・グレアムもクラリス同様に魅力ある人物であり

「羊たちの沈黙」に繋がってくるラストもシリーズのファンとしては

なかなか嬉しいものがあります。

 

まだ3部作をどれも観たことがない人は是非「レッド・ドラゴン」から入って

時系列順に観てほしい。それで大満足したところで

 

「ハンニバル・ライジング」を観て皆ずっこけるのだ。

 

 

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